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脱ダム新時代
【製作意図】この映画はダム建設で故郷が湖底に沈みゆく里人たちを描いた『あらかわ』(シグロ1993年製作)に関与した矢間秀次郎が「原点回帰」をこころみる映像作品である。日本の「ダム問題」に焦点を据え、歴史的事実を探りながらダムの功罪を明らかにし、「脱ダム新時代」を拓く方途を探る。
友好団体 NPO法人 森は海の恋人。「環境教育」「森づくり」「自然環境保全」の3分野を軸として活動している、宮城県の非営利活動法人団体のウェブサイトはこちらへ。
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長編ドキュメンタリー映画






















敗戦からの復興、食糧増産、工業立国をめざす科学技術への傾斜が進む中で、「水資源開発促進法」(1961年)がつくられた。河川を水資源とみなして、合理的に収奪する鉄とセメントの河川工作物=ダム(基礎地盤からの高さが15メートル以下は「堰」)建設を促進し、いまや既存ダム2752基に及ぶ。
河川を多目的に使うために水流を堰き止めてダム湖に貯水し、健全な水循環・物質循環を破壊する「ダム公害」を引き起こしてきた。ここ数年、頻発する局地ゲリラ豪雨に即応できず、ダムの緊急放流で流域住民の命をも呑みこむ““狂ったオロチ”と化している。のたうつオロチを退治する法律が未整備で、「ダム撤去推進法」の制定がまたれる。すでにわが国は2008年に人口減に転じ、生活用水・工業用水・発電用水とも供給過剰である。なぜ膨大な赤字国債に頼り公共事業による内需拡大の牽引役をダムに負わせるのか。
1972年に、「ダム一千ヵ所の建設を!」と謳った田中角栄著『日本列島改造論』の“亡霊”が跳躍しているからだ。時代遅れの「成長戦略」に固執し、産業構造の転換を怠り、「鉄とセメントの捨場」をダムに求めた愚行が国土の安全を蝕む元凶となっている。健全な国土の再生を図るヒントを映像で紡ぐ。
※上掲写真は、ご出演くださった方々(一部)。